レターパックで荷物を送るとき、差出人欄に最初から印字されている「様」。これをそのまま残しておくべきなのか、きちんと消すべきなのか迷ってしまう方は多いはずです。特に相手が取引先やお世話になっている方の場合、ちょっとした書き方ひとつで印象が変わってしまうこともあります。
この記事では、公式の仕様、ビジネスマナー、そして実際の現場での扱われ方まで、幅広い視点から「様」の正しい扱い方をていねいにまとめました。初めての方でも迷わず書けるよう、具体的な消し方や場面別の判断ポイントもわかりやすく紹介しています。
- まず結論 レターパックの「様」は依頼主も消すのが基本マナー
- レターパックに印字されている「様」の意味を理解しよう
- ビジネスマナーとしての敬称ルール
- レターパックの「様」を正しく消す方法
- 宛名の書き方で注意したい郵便事故の防止策
- 個人利用の場合はどうする?ケース別の判断
- レターパックの種類で書き方は変わる?(ライト/プラス)
- よくある失敗例と対策
- 法人宛・個人宛で変わる敬称ルール(早見表)
- 法人宛・個人宛で変わる敬称ルール(早見表)
- 受け取る側の視点から見た「様」の印象
- 返信用レターパックを同封する際のマナー
- ケース別「様」を消すべきか迷ったときの判断早見表
- よくある質問(FAQ)
- 【まとめ】「様」を消すのは気配りと丁寧さの表れ
まず結論 レターパックの「様」は依頼主も消すのが基本マナー

レターパックに印字されている「様」は、あくまで“宛先の相手”に対して使う敬称です。そのため、差出人である自分の欄に「様」が残っていると、ビジネス文書で自分の名前に敬称をつけてしまうのと同じ扱いになり、少し不自然に見えてしまいます。特にビジネスやフォーマルな書類を送るときには、こうした小さな部分が意外と相手への印象に影響することがあります。
レターパックは誰でも気軽に使える便利な発送方法ですが、その分、細かな書き方は自己判断に委ねられている部分も多いです。だからこそ、相手への敬意を示す意味でも、自分の欄の「様」はしっかりと二重線で消しておくのが、もっとも丁寧で誤解のない方法といえます。
さらに、ビジネスシーンでは「宛名まわりの整い方」が“書類の扱い方の丁寧さ”として見られることもあります。差出人欄がきちんと整っているだけで、丁寧な人という印象を持ってもらえる場合があり、逆にそのまま残していると「少し雑?」と受け取られる可能性もゼロではありません。
また、実務面でも差出人欄に「様」が残っていると、郵便物の管理時や受取側の確認で「宛先なのか差出人なのか一瞬迷う」という声もあります。小さな記載の違いですが、紛らわしさを防いでスムーズな配達につなげる意味でも、消しておくほうが安全です。
“相手に手間をかけないようにする”という意味でも、このひと手間はとても大切。書き方のマナーに詳しくない相手にも、自然に気遣いが伝わるポイントになります。荷物や書類を丁寧に扱っている印象を与えることにもつながります。
日本郵便の公式仕様とマナーの違い
日本郵便が提供しているレターパックの仕様書や案内では、「差出人欄の『様』を消すべき」という明確なルールは定められていません。これは、レターパックがビジネス・個人・行政など幅広い場面で利用されるため、あえて細かなルールを固定していないという背景があります。誰でも同じように使えるよう、あくまで“汎用的なフォーマット”として設計されているのです。
ただし、公式の仕様で義務化されていないからといって、ビジネスの現場でそのまま使うと違和感を持たれることがあります。ビジネスマナーでは「敬称は相手に対して使うもの」「自分に敬称を付けない」という考え方が基本になっており、これは文書・封筒・メールなどあらゆるコミュニケーションに共通しています。この違いが“公式ルール”と“マナー”の大きな差となって現れます。
さらに、ビジネスの世界では「書類の細部をどう扱うか」で印象が決まることがあり、差出人欄の『様』をそのまま残すことが“気遣い不足”や“基本マナーを知らない”と受け取られるケースもあります。これは特に採用書類、契約関係、初めての相手とのやりとりなど、慎重さが求められる場面でより顕著です。
一方で、公式にはあくまで“消す/消さないは利用者の判断に委ねられている”ため、必ずしも間違いではありません。重要なのは、相手がどう受け取るかを想像して選ぶことです。ビジネスでは消すほうが無難ですが、親しい相手やカジュアルな送り物なら、必要以上に気にする必要はない場面もあります。
つまり、
- 日本郵便:明確な決まりなし(自由)
- ビジネス慣習:自分の欄の「様」は消す(推奨)
という“役割の違い”を理解しておくことが、とても大切になります。
消し忘れが招く誤解とは
差出人欄に自分への「様」が残っていると、相手によってはさまざまな誤解を招くことがあります。普段あまり気にされない部分ではあるものの、特にビジネスやフォーマルな書類をやり取りする場面では、細かいポイントほど“人柄”や“丁寧さ”を測る材料になるため注意が必要です。
まず、「自分の名前に敬称を付けている」と見なされ、マナーをよく知らない人という印象につながる場合があります。これはビジネス文書の基本ルールに照らすと不自然で、慣れている相手ほど気づきやすい部分です。
また、「宛先なのか差出人なのか一瞬迷わせてしまう」という実務的な問題も発生しがちです。郵便物の確認や仕分けの際に、担当者が“どちらの名前なのか”を判断するためにほんの少し立ち止まることになり、結果として相手に余計な負担をかけてしまうことがあります。
さらに、丁寧さを重視する相手、とくに採用担当者・総務・経理など文書管理に厳しい部署では、こうした細かな部分への配慮が評価される場合もあります。そうした環境では逆に「気遣いが行き届いていない」と受け取られてしまう可能性があります。
もちろん、個人のやり取りや親しい関係であれば、そこまで厳密に気にされることは少ないです。しかし、相手の状況や立場が分からないときは“誤解のタネを作らない”という意味でも、差出人欄の「様」を消しておくほうが無難です。
レターパックに印字されている「様」の意味を理解しよう

レターパックに印字されている「様」は、単なるデザインではなく、レターパックという郵便資材を「誰でも迷わず使えるようにするため」に設計されたものです。郵便物の宛名記入は、人によって書く形式やクセが大きく違います。そのため、基本となる形をあらかじめ印字しておくことで、利用者が迷わず記入でき、郵便局側も読み取りやすくなるよう工夫されています。
また、この「様」は“宛名を書く位置を明確にするための目印”としての役割もあります。レターパックは広めのスペースが確保されていますが、住所や会社名が長くなると書く位置がずれてしまうことがあります。そこで、敬称があらかじめ印字されていることで、宛名の最後の行(氏名)の位置が自然と揃い、読みやすいレイアウトになるように設計されているのです。
「様」が印字されている場所はどこ?
レターパックの表面には、宛先と差出人の両方に「様」が印字されています。特に宛先の欄では、住所を上から書いていくと自然に氏名の場所で「様」にたどりつくため、初心者でもきれいに書きやすくなっています。
一方で差出人欄は、発送者自身が最後に記入することが多く、“書きやすさ重視”のフォーマットとして同じレイアウトが採用されています。ただし、ここでも印字されている「様」は敬称ではなく、あくまで統一デザインの一部です。
なぜ差出人欄にも「様」が入っているのか
レターパックは、個人利用・法人利用・官公庁での書類送付など、幅広い場面で使用されます。このように利用者層が広いため、「誰が使っても記入しやすく、機械でも判別しやすい」一定のフォーマットが必要とされます。差出人欄にも「様」が含まれているのは、その統一仕様の結果です。
つまり、印字されている「様」は“差出人に敬称を付ける意図”ではなく、“レイアウトを揃えて誰にでも使いやすくする”という実務的な理由に基づいています。
依頼主も「様」を消すべきとされる根拠
宛名の敬称は、送る相手を敬うために付けるものです。そのため、差出人である自分自身に敬称を付けるのはマナーとして不自然とされています。ビジネスではとくにこのルールが重視されるため、差出人欄に印字された「様」は二重線で消すのが一般的な書き方です。
マナーの視点だけでなく、実務上も「差出人なのか宛名なのか判断しづらくなる」という混乱を防ぐことができます。住所確認や仕分けの際に明確に区別できるようにしておくことで、郵便物の取り扱いもスムーズになります。
ビジネスマナーとしての敬称ルール

ビジネスの場面では、宛名や差出人の書き方ひとつで“基本が身についている人かどうか”が伝わります。特に敬称は、書類や郵便物を扱う上での基礎的なマナーです。レターパックでも同じ考え方が適用されるため、どの敬称を使うべきか、どのような書き方が適切なのかを知っておくと安心です。
「様」「御中」「行」の使い分け
敬称にはそれぞれ意味と役割があり、正しく使うことで相手への敬意が自然と伝わります。
- 個人宛:様
もっとも一般的な敬称で、相手が個人の場合に使用します。 - 会社・部署宛:御中
組織や団体に対して用いる敬称で、個人名が特定できない場合に使います。 - 返信用封筒など、相手が書き換える前提:行
相手が「御中」や「様」に書き換えて使うための仮の表記です。
レターパックは事務的なやり取りに使われることも多いため、この使い分けを知っておくことで書き方がぐっとスムーズになります。
宛名でよくあるNG例
敬称の誤りは、気づきにくいものの相手に“違和感”を与えることがあります。
- 企業名+様(誤り):会社そのものは個人ではないため不自然
- 部署名+様(誤り):部署は組織扱いなので「御中」が正解
- 企業名+御中+担当者名の併記:どちらが主語か分かりにくい書き方
正しい敬称で書くことで、宛名がすっきりまとまり、相手への心地よさにもつながります。
「様」を残したままだとどう見える?
差出人欄に自分への「様」が残っている場合、相手にとっては次のような印象につながることがあります。
- 基本的なマナーを知らないのかな? と感じられる
- 丁寧さに欠けている と受け取られることもある
- 書類に慣れていない という印象を持たれやすい
特に、総務・人事・経理のように文書を扱い慣れた職種では、この点を細かく見ていることがあります。逆にきれいに整っているだけで“細かい部分まで気が回る人”という好印象にもつながるため、差出人欄の「様」は確実に消しておくのがおすすめです。
レターパックの「様」を正しく消す方法

レターパックの「様」を消す作業はほんのわずかな手間ですが、その仕上がりひとつで全体の印象が大きく変わります。相手に不要な誤解を与えず、すっきり読みやすい状態に整えるためにも、正しい手順を知っておくと安心です。ここでは、実務経験がなくても迷わないように、具体的で分かりやすいポイントをまとめています。
二重線で消すのが最も無難
もっとも一般的でマナーとして自然なのが、「様」に黒か濃いインクの二重線を引く方法です。二重線にすることで、
- “意図的に消した”ことが相手に明確に伝わる
- 修正として自然で、見た目もすっきりする
- 郵便局の読み取りを妨げにくい
というメリットがあります。
線は強く押しつける必要はなく、軽く均一に引くだけで十分です。線の太さがバラバラだったり、勢いよく引きすぎて文字まで傷つけてしまうと雑な印象になるため、できるだけ落ち着いて丁寧に仕上げましょう。
赤ペンや修正テープが避けられる理由
つい手元にある文具で消してしまいがちですが、赤ペンや修正テープは避けたほうがよいとされています。
- 赤ペン:仕分け作業の機械が文字情報として認識する場合があり、誤読につながることがあるため。
- 修正テープや修正液:表面が盛り上がるため機械の通過時に剥がれやすく、郵便物の破損につながる可能性がある。
特に修正テープは見た目が不自然になりやすく、ビジネスの場では“雑に見える”と感じる人もいます。シンプルな二重線のほうが丁寧でスマートです。
きれいに消すコツ
見た目を整えるための小さなコツを押さえておくと、初めての方でもきれいに仕上げやすくなります。
- 細めの油性ペンを使う:インクがにじみにくく、均一な線が引けます。
- 線の角度は水平または斜めにそろえる:バラバラの角度だと雑に見えるため、揃っているだけで印象が上品になります。
- 他の文字に重ならないように消す:住所や名前に線がかかると読みづらくなるため、必ず「様」だけを狙って線を引きましょう。
- 余白のバランスを見る:消した部分の上下に余白がしっかりあると、全体が整って見えます。
ちょっとしたことですが、郵便物を受け取る相手の気持ちを考えると、このひと手間がとても大切です。丁寧に消すだけで、書類全体の印象がぐっと良くなります。
さらに迷わないための実務的アドバイス
- 消すタイミングは最後にまとめて:住所・氏名を書いてから消したほうがバランスがとりやすいです。
- 消す場所が増えてもOK:差出人欄の「様」はもちろん、必要なら宛名欄の「様」もきれいに整えられます。
- 不安なら試し書きしてから:本番でいきなり線を引くのが心配な場合、メモ用紙で角度や力加減を試すと安心です。
宛名の書き方で注意したい郵便事故の防止策

レターパックは便利でスピーディーな発送手段ですが、宛名の書き方が原因で誤配送・返送・配達遅延が発生することもあります。特に手書きの場合は、文字のクセや書き方のちょっとした違いが誤解につながりやすく、配達員や仕分け担当が判断に迷うケースも少なくありません。ここでは、トラブルを防ぎ、相手がスムーズに受け取れる宛名の書き方をより詳しく解説します。
読みづらい字によるリスク
急いで書くと、数字や建物名が判別しづらくなることがあります。
- 数字の「1」と「7」
- 「0」と「6」
- 「ソ」と「ン」
など、日本語でも似ている文字は多く、読み違いが起こりやすいポイントです。
建物名や部屋番号が不鮮明だと、配達員が確認に時間を取られるだけでなく、そのまま返送されたり、別の住所へ誤って届けられる可能性もあります。特にマンション名は長くなることが多いので、落ち着いて丁寧に記入する意識が大切です。
推奨される筆記具
油性ペンが推奨されるのは、にじみにくく耐水性があるためです。雨の日や湿気の多い環境でも文字が読みやすい状態を保てます。
- 極細〜中字の油性ペン:視認性が高く、住所の長い記載にも対応しやすい
- ゲルインクは控えめに:にじむ場合があり、長い住所を書くときに文字がつぶれることがあります
- 消えるボールペンはNG:温度や摩擦で文字が消えてしまうため、郵便物には適しません
封筒とは違い、レターパックは表面がツルツルしているため、油性ペンのほうが安定して書けます。書くときはペン先を強く押し付けすぎないのがきれいに仕上げるコツです。
消す位置・書き足す位置
「様」を消す際の二重線が宛名に近づきすぎると、文字が読みづらくなったり、誤読の原因になることがあります。特に以下の点に注意すると安全です。
- 「様」だけに線が当たるように狙う
- 宛名の最後の漢字には重ねない
- 住所の数字や丁目・番地などにかからないよう配慮
また、書き足す場所にも注意が必要です。宛名欄の枠をはみ出すほど大きく書いたり、上下に詰めすぎたりすると、機械が読み取れない場合もあります。「均一に整える」という意識が、誤配送を防ぐ一番のポイントです。
追加の安全ポイント
より確実に郵便事故を防ぐための、ちょっとした心がけも紹介します。
- 番地や部屋番号は特にはっきり書く:数字部分が曖昧だと誤配率が上がります
- マンション名は略さない:「○○メゾン → メゾン」「ハイツ → H」と簡略化すると誤配送の原因に
- 住所は上から順番に書く:途中で順番を変えたり、上下の配置を入れ替えると読み間違いが発生しやすい
- 余白を残す意識:上下の余白があるだけで、読みやすさが大幅にアップします
ちょっとした丁寧さが、郵便物の安全な到着につながります。宛名を整えることは“気遣いの証”でもあり、相手が安心して受け取れる大きなポイントです。
個人利用の場合はどうする?ケース別の判断

個人利用の場合は、ビジネスほど形式に厳しくありませんが、それでも“相手がどう受け取るか”を意識しておくと安心です。カジュアルな送り物から、家族・親しい友人へのプレゼント、ちょっとしたお礼や季節の品まで、シーンによって最適な書き方は変わります。ここでは、より丁寧に判断できるよう、ケースごとの考え方を深掘りして解説します。
親族・友人宛でも「様」は基本消す?
親しい間柄では、差出人欄に「様」が残っていても、ほとんど気にされないことが多いです。むしろ、堅苦しさを感じさせないために、あえて形式を気にしないという選択肢もあります。
ただし、以下のようなケースでは、丁寧に整えておくほうが好印象につながります。
- 相手が年上・目上にあたる場合
- きちんとした場面でのお礼や贈り物
- 書類や申請関連のものを送る場合
- 手紙や挨拶状を同封する場合
特に、親族関係でも礼儀を重視する相手には、差出人欄の「様」を消しておくことで、失礼のない印象を与えることができます。状況に応じて、柔軟に判断するのがポイントです。
フォーマル・カジュアルの線引き
個人利用では、フォーマルとカジュアルの境界線を見極めることが大切です。明確ではないように見えて、実は以下のポイントで判断しやすくなります。
- フォーマル寄りの内容:手続き書類・申請書・重要な返信物 → 消す
- ややフォーマルな場面:お礼状・ギフト・丁寧に届けたい品 → 消すほうが安心
- カジュアル寄りの内容:ちょっとした贈り物・季節のプレゼント → どちらでもOK
- 完全に気軽な場面:家族や仲の良い友人同士 → 気にしなくても問題なし
迷ったときは“その相手にどんな印象を届けたいか”で判断すると、自然と答えが見つかります。
マナーより“気遣い”が大切な場面
個人利用で特に大切なのは、形式よりも「相手への思いやり」です。小さな贈り物や季節の便り、ちょっとした手作り品などは、受け取る側も温かい気持ちで受け取ることが多く、細かなマナーより“気持ちが込もっているか”が重視されやすいです。
たとえば、
- 忙しい友人へちょっとした差し入れを送りたい
- 季節の果物や、お裾分けを送りたい
- 手紙やメッセージを添えた贈り物を送りたい
といった場合は、差出人欄の形式にとらわれすぎず、自然な形で送り出すほうが温かみが伝わることもあります。
もちろん、相手が几帳面なタイプであれば、丁寧に整っているほうが安心してもらえるため、関係性に合わせて調整することが大切です。
個人利用での“ちょうど良い”考え方
個人間のやり取りは、ビジネスのような厳格さは求められません。だからこそ、
- 相手の性格や価値観を思い出す
- 今回の送り物の意味を考える
- 丁寧さと気軽さのバランスを取る
という3つの視点がとても役立ちます。
気軽な贈り物でも、差出人欄が整っていると、受け取った側が「丁寧に送ってくれたんだな」と感じやすくなります。また、形式にこだわらずラフに送りたい場合は、その自然体な雰囲気が逆に相手をリラックスさせることもあります。
個人利用における一番のポイントは、完璧なマナーよりも、気遣いが伝わる“ちょうど良いバランス”を見つけることです。
レターパックの種類で書き方は変わる?(ライト/プラス)

レターパックは「ライト(青)」と「プラス(赤)」の2種類がありますが、書き方や気をつけたいポイントは微妙に異なります。どちらも基本のマナーや敬称の扱いは同じですが、発送方法や取り扱いの違いによって“より注意すべき点”が変わるため、ここをしっかり押さえておくと安心です。
ライトの注意点(ポスト投函・厚さ3cm以内)
レターパックライトは厚さ3cm以内でポスト投函が基本のため、宛名欄や差出人欄に関わる注意点が増えます。
- 折り曲げ厳禁:厚み制限ギリギリだと、宛名部分が膨らんで読みづらくなることがあるため、できるだけ平らに整えることが大切です。
- シールの貼りすぎに注意:装飾シールや補強テープを多用すると、厚さオーバーと判断される場合があります。
- 宛名の位置がズレないように書く:ポスト投函の場合、機械で仕分けされるため、住所や氏名が枠から大きくズレると読みづらさにつながります。
- 差出人欄も明確に:返送時のために、差出人の情報は特にはっきり書いておくと安心です。
ライトは“自動仕分けが基本”であるため、読みやすく・はっきり書くことがもっとも重要になります。
プラスの注意点(対面受取・厚さ制限なし)
レターパックプラスは対面受取で、受け取り時にはサインが必要となります。そのため、ライトより宛名の明確さと正確さがより重視されます。
- 受取人の氏名は特にはっきり書く:対面受取のため、配達員がその場で判断しやすいようにする必要があります。
- 建物名・部屋番号を正確に:プラスは書類・契約書など大切なものの発送に使われることが多いため、読み違いの防止が必須です。
- 封をしっかり貼る:厚みが自由な分、内容物が重いと剥がれやすいため、封緘テープ部分を指で圧着しておくのが安心です。
- 差出人の「様」も確実に消す:ビジネス利用が多い種類なので、気になる相手も多く、丁寧に整えておくことが印象の良さにつながります。
プラスは“受取人が手に取る”ため、見た目の丁寧さがより強く伝わる種類でもあります。
種類ごとのありがちなトラブル例
レターパックは便利ですが、種類によって起きやすいトラブルも異なります。
- ライトの厚さオーバーによる返送:厚みが3cmを少し超えただけで返送されることがあります。
- プラスの封緘部分の剥がれ:重い書類や冊子を送ると、配達中に開きかける場合があります。
- 宛名がにじむ・読みにくい:ライト・プラス共通で、インクが乾く前に触れてしまうと文字が薄れたりにじんだりすることがあります。
- 住所の省略による誤配:特にプラスは企業や役所宛に使われることが多いため、マンション名・会社名の省略による誤配が起こりやすいです。
種類ごとの特徴を理解して書き方を工夫するだけで、郵便事故やトラブルを避けられます。発送前に、厚み・重さ・宛名の読みやすさを再確認することが何より大切です。
よくある失敗例と対策

レターパックの宛名や「様」の扱いで起きやすい失敗は、どれも“ちょっとした思い込み”や“急いで作業したときのミス”が原因です。丁寧に書いたつもりでも、受け取る側から見ると「読みづらい」「気遣いが足りない」と感じられることがあり、印象に影響する場合もあります。ここでは、初心者から慣れている人まで陥りやすい失敗を、より実務的な視点で深掘りしながら紹介し、安心して防げる対策をまとめました。
塗りつぶしすぎて読みにくい
「様」を消すつもりで勢いよく塗りつぶしてしまい、かえって視認性が低下するケースはとても多く見られます。線が太くなりすぎると、機械の読み取りが難しくなったり、宛名全体が“粗雑な印象”に見えてしまうこともあります。
対策:
- 細字の油性ペンを使用し、線幅を揃える
- 二重線は軽く均一に、重ね塗りはしない
- 線を引く角度を統一して整った印象に仕上げる
宛名部分に線が重なってしまう
急いでいると、「様」だけを狙って線を引いたつもりが、住所や氏名の一部に重なってしまうことがあります。特にビジネス宛では、漢字や数字の一部が隠れると誤読につながることもあり、郵便事故の原因にもなりかねません。
対策:
- 二重線を引く前に、一度ペン先の位置を確認する
- 角度を浅めにして、周囲の文字に当たらないようにする
- 消したい「様」の真横に、軽く目印の点を打つ方法も有効
修正テープ・修正液を使ってしまう
「きれいに消したい」という気持ちから、修正テープや修正液を使ってしまうケースもあります。しかしレターパックのツルツルした表面では剥がれやすく、郵便物の仕分け中に削れたり欠けたりしてしまう恐れがあります。
対策:
- 修正用品は使わず、二重線のみを使用する
- どうしても見た目が気になる場合は、新しいレターパックに書き直すほうが安心
書き足しが雑で読みにくい
宛名を書いたあとに、番地や建物名を追加で書き足す際、字が小さすぎたり角度が曲がったりして読みにくくなるケースがあります。とくにマンション名・部屋番号は誤配送の要因になりやすいため注意が必要です。
対策:
- 追加記入する前に、スペースの確保があるか確認する
- 小さすぎる文字は読みづらいため、最低限の大きさで書く
- 行間を保つことで視認性が大幅に改善される
書き直しせずに無理やり修正してしまう
間違えた部分をそのまま直そうとして、線だらけになったり文字が重なってしまうことがあります。結果として“雑に扱った印象”を与えてしまい、ビジネスシーンではマイナスに作用することがあります。
対策:
- 宛名や住所の訂正が複数箇所に及ぶ場合は、潔く書き直す
- 書き直しは決して失礼ではなく、むしろ丁寧さの表れになる
文字のにじみや擦れによる読みにくさ
インクが乾かないうちに触れてしまい、文字がにじんだり薄くなってしまうケースも意外と多いです。仕分け機を通過する際、かすれた部分が判別されにくくなることがあります。
対策:
- 油性ペンで書いたあとは、30秒ほど置いて乾かす
- 書いた直後は触れたり擦ったりしないよう注意する
- 書き終わったあとに軽く全体をチェックする習慣をつける
「様」を消し忘れたまま投函してしまう
「書いたはず」と思い込んでそのまま投函してしまうこともあります。届かないことはありませんが、ビジネスでは注意が必要です。
対策:
- 投函前に「宛先・差出人・敬称」の3点チェックを行う
- 特に差出人欄は一度目が滑りやすいため意識的に確認する
丁寧に書く習慣を身につけるだけで、郵便トラブルの多くは防げます。あなたのレターパックを受け取る相手がストレスなく読めるよう、ひとつひとつの作業をていねいに仕上げることが大切です。
法人宛・個人宛で変わる敬称ルール(早見表)
宛名に付ける敬称は、「個人宛か」「法人宛か」「担当者名が分かるか」によってルールが変わります。この部分を正しく書けているだけで、宛名全体がぐっと読みやすくなり、相手にも丁寧な印象を与えられます。ここでは、より実務で迷わないように、ビジネス郵便で使われる敬称の考え方を深掘りしてまとめました。
個人宛と法人宛の基本的な違い
敬称の役割は「相手を敬うこと」。そのため、送り先が“人なのか”“会社なのか”を判断することが第一歩になります。
- 個人に送る場合:必ず「様」
氏名がはっきりしている場合は、基本的に「様」を付けるのが正しい形です。フルネームで書くのがもっとも丁寧ですが、略さずに記入するだけでも十分に整った印象になります。 - 法人・会社宛に送る場合:必ず「御中」
会社名や部署名は“組織”のため、個人の敬称である「様」は付けません。法人宛に「様」と書いてしまうと、相手に違和感を与えてしまうことがあります。
企業名と担当者名がわかるときの敬称ルール
担当者名がわかっており、企業名と両方を書く場合は、使う敬称が変わります。
- 正しい書き方:企業名+御中 → 担当者名+様
- NGの書き方:企業名+様(誤り)、企業名+御中+担当者名+様を横並びに書く(混乱しやすい)
宛名は“誰に届けたいのか”が一目で分かることが大切です。主語を担当者にする場合は、企業名の後ろに「御中」は付けず、担当者名のみに「様」を付けて書くほうがすっきりします。
部署宛の場合の敬称
部署自体は組織なので、敬称は「御中」になります。
- 例:○○株式会社 経理部 御中
担当者名が不明・窓口対応の部署へ送るときに使われます。
よく迷うケースを具体例で解説
敬称の使い分けで最もよくある迷いを、わかりやすいケース別でまとめました。
- 会社名のみ書く場合 →「御中」
- 会社名+部署名 →「御中」
- 会社名+部署名+担当者名 → 担当者名+「様」で統一(御中は付けない)
- 個人宅に送る場合 →「様」
- 取引先の担当者宛だが自宅住所 →「様」
ポイントは、“敬称を付ける対象が人なら様、組織なら御中”というシンプルなルールです。
ひと目でわかる敬称早見表
| 送り先の種類 | 書き方 | 敬称 |
|---|---|---|
| 個人宛 | 山田太郎 様 | 様 |
| 個人宅の取引先担当者 | 山田太郎 様 | 様 |
| 法人(会社名のみ) | ○○株式会社 御中 | 御中 |
| 部署宛 | ○○株式会社 経理部 御中 | 御中 |
| 法人+担当者名 | ○○株式会社 山田太郎 様 | 様(御中は付けない) |
| 返信用(相手が書き換える前提) | 〜 行 | 行(相手が様/御中に変更) |
敬称の使い分けが正確だと、宛名全体が整い、相手も“きちんと手元に届く郵便物”だと安心できます。細かな部分ではありますが、伝わる印象が大きく変わるため、ぜひ意識しておくのがおすすめです。
法人宛・個人宛で変わる敬称ルール(早見表)
宛名に付ける敬称は、「個人宛か」「法人宛か」「担当者名が分かるか」によってルールが変わります。この部分を正しく書けているだけで、宛名全体がぐっと読みやすくなり、相手にも丁寧な印象を与えられます。ここでは、より実務で迷わないように、ビジネス郵便で使われる敬称の考え方を深掘りしてまとめました。
個人宛と法人宛の基本的な違い
敬称の役割は「相手を敬うこと」。そのため、送り先が“人なのか”“会社なのか”を判断することが第一歩になります。
- 個人に送る場合:必ず「様」
氏名がはっきりしている場合は、基本的に「様」を付けるのが正しい形です。フルネームで書くのがもっとも丁寧ですが、略さずに記入するだけでも十分に整った印象になります。 - 法人・会社宛に送る場合:必ず「御中」
会社名や部署名は“組織”のため、個人の敬称である「様」は付けません。法人宛に「様」と書いてしまうと、相手に違和感を与えてしまうことがあります。
企業名と担当者名がわかるときの敬称ルール
担当者名がわかっており、企業名と両方を書く場合は、使う敬称が変わります。
- 正しい書き方:企業名+御中 → 担当者名+様
- NGの書き方:企業名+様(誤り)、企業名+御中+担当者名+様を横並びに書く(混乱しやすい)
宛名は“誰に届けたいのか”が一目で分かることが大切です。主語を担当者にする場合は、企業名の後ろに「御中」は付けず、担当者名のみに「様」を付けて書くほうがすっきりします。
部署宛の場合の敬称
部署自体は組織なので、敬称は「御中」になります。
- 例:○○株式会社 経理部 御中
担当者名が不明・窓口対応の部署へ送るときに使われます。
よく迷うケースを具体例で解説
敬称の使い分けで最もよくある迷いを、わかりやすいケース別でまとめました。
- 会社名のみ書く場合 →「御中」
- 会社名+部署名 →「御中」
- 会社名+部署名+担当者名 → 担当者名+「様」で統一(御中は付けない)
- 個人宅に送る場合 →「様」
- 取引先の担当者宛だが自宅住所 →「様」
ポイントは、“敬称を付ける対象が人なら様、組織なら御中”というシンプルなルールです。
ひと目でわかる敬称早見表(拡張版)
| 送り先の種類 | 書き方 | 敬称 |
|---|---|---|
| 個人宛 | 山田太郎 様 | 様 |
| 個人宅の取引先担当者 | 山田太郎 様 | 様 |
| 法人(会社名のみ) | ○○株式会社 御中 | 御中 |
| 部署宛 | ○○株式会社 経理部 御中 | 御中 |
| 法人+担当者名 | ○○株式会社 山田太郎 様 | 様(御中は付けない) |
| 返信用(相手が書き換える前提) | 〜 行 | 行(相手が様/御中に変更) |
敬称の使い分けが正確だと、宛名全体が整い、相手も“きちんと手元に届く郵便物”だと安心できます。細かな部分ではありますが、伝わる印象が大きく変わるため、ぜひ意識しておくのがおすすめです。
受け取る側の視点から見た「様」の印象

レターパックを受け取る側にとって、宛名や差出人欄の整い方は“送り主がどれだけ丁寧に扱ってくれたか”を感じ取る重要なポイントです。とくにビジネスやフォーマルな場面では、小さな部分ほど相手の印象に大きく影響することがあります。
自分の名前に「様」が付いているとどう見える?
差出人欄に印字された「様」をそのまま残していると、受け取る側の心理として次のような印象が生まれやすくなります。
- 基本マナーが身についていないのかな?と感じられる
- 事務作業が雑に見えるため、全体の印象が下がる
- 書類慣れしていない人という認識につながることも
特に書類を多く扱う総務・経理・人事の担当者は“宛名の整い方”を自然と見ています。そのため、差出人欄の「様」を消しておくというほんの小さな配慮が、丁寧さとして伝わりやすくなります。
初対面の相手ほど細部が印象に残る
取引先や採用関連など、初めての相手に郵送する場合はとくに注意が必要です。相手はあなたのことをまだよく知らないため、郵便物の「見た目の整い方」が第一印象として強く残ります。
- 文字が読みやすい
- 敬称が正しく使われている
- 差出人欄がきちんと整っている
こうした“外観の整い”は、信頼感にもつながります。
個人間でも好印象につながる
家族や友人といった親しい相手でも、整った差出人欄は“丁寧に送ってくれたんだな”と温かく受け取ってもらえるポイントです。逆に雑な仕上がりだと、無意識に「慌てて送ったのかな?」と感じさせてしまうこともあります。
小さな気遣いが安心感になる
受け取る側にとっては、見やすく・正確な宛名は“確実に自分宛てのものだ”という安心感につながります。
とくに差出人欄が丁寧に整っていると、
- 発送者が配慮してくれたという気持ち
- 書類の大切さを理解して送ってくれたという信頼
が自然と伝わります。
“ほんの数秒のひと手間”で、相手の感じ方が大きく変わるのがこの部分。だからこそ、差出人欄の「様」を丁寧に消すことは、送り手のマナーであると同時に、受け取る側への思いやりでもあります。
返信用レターパックを同封する際のマナー

返信用レターパックを同封する場合は、受け取った相手がスムーズに使えるように“ひと手間の気遣い”を添えることがとても大切です。とくにビジネスシーンでは、返信用の扱い方がそのまま丁寧さとして伝わります。ここでは、相手に負担をかけず、気持ちよく使ってもらえるためのマナーをさらに深くまとめました。
「行/宛」を使うのが基本
返信用レターパックの宛名は、あくまで“相手が自分に返送するためのもの”です。そのため、差出人(=相手)が書き換えやすいよう、敬称は「行」を使うのがマナーです。
- 相手が後から「様」または「御中」に書き換える前提
- 「行」はあくまで仮の敬称という位置づけ
フルネームがわかっている場合でも、このタイミングでは「様」を付けず「行」と書くのが正しい形です。
相手が書き換えやすいレイアウトにする
返信用レターパックは、記入済みのものを相手がそのまま使うため、“上書きのしやすさ”がとても重要になります。
- 「行」のすぐ横に余白をしっかり残す
- 住所や氏名は詰めすぎず、読みやすい位置に配置
- 字を大きくしすぎず、相手がペンを入れやすいスペースを確保
また、「行」のすぐ近くに二重線を引くための余白があると、相手が敬称を書き換えるときに便利です。
同封時の折り方・置き方のコツ
レターパックは折って同封できますが、折り方や入れ方によっては、相手が使う際に書きにくくなってしまうことがあります。
- 宛名欄に折り目がかからないように、下部三分の一を折る形がおすすめ
- 折った面が浮かないように、軽く挟むように入れる
- 封筒内で擦れて宛名が薄れないよう、書いた面を内側に入れるのも丁寧
書いた文字がにじんだり、折り目にかかって読みにくくなると、相手が書き換える際の負担が増えてしまいます。折り位置のひと工夫は、使いやすさに直結します。
切手・料金の注意点(レターパックなら貼付不要)
返信用封筒の場合、切手の貼付が必要なケースがよくありますが、レターパックは最初から料金込みのため、切手は不要です。相手が誤って切手を貼ってしまうことがないよう、返信用に同封する際は、宛名以外の情報を書き込みすぎないことがポイントです。
メッセージを添えると気遣いが伝わる
ビジネスはもちろん、個人のやり取りでも、ひとこと添えるだけで好印象になります。
- 「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」
- 「ご返送の際はこちらをご利用ください」
短いメッセージがあるだけで、相手が使うときの心理的負担をぐっと軽くできます。
返信用を用意する際のNG例
気づかずやってしまいがちなNG例もあります。
- 「様」と書いてしまう → 相手が自分を“様付けする”形になり不自然
- 行の上から御中を併記する → 主語が分かりにくく混乱を招く
- 折り目が宛名欄にかかる → 相手が書き換える際に記入しにくい
- 記入欄を埋めすぎる → 相手が追記しづらい
これらはすべて、相手の使いやすさを損なう要因になります。返信用は“相手が記入しやすい状態”が何より大切です。
ケース別「様」を消すべきか迷ったときの判断早見表
レターパックの「様」を消すべきか迷ったときは、送り先の性質(ビジネス/個人)・送り物の重要度・相手との関係性の3つを軸に判断すると失敗しません。ここでは、直感的に判断できるように、より細かいケースを追加した“拡張版の早見表”としてまとめました。
ビジネス関連のケース(必ず消す)
ビジネスでのやり取りは、基本的に「自分に敬称を付けない」というマナーが強く求められる場面です。
- 取引先への書類送付:必ず二重線で消す
- 請求書・契約書など重要書類の発送:必須レベルで消す
- 顧客・クライアント宛の発送:整った差出人欄が信頼につながる
- 初めてやり取りする相手:第一印象に直結するため特に重要
ビジネス文書は細部が評価されるため、「様」の消し忘れは思わぬ印象低下につながる場合があります。
採用・選考関連(必ず消す・もっとも厳密)
採用担当者は郵送物の整い方を“丁寧さの指標”として見ることが多く、特にミスや雑さに敏感です。
- 応募書類の返送・提出物の発送:必ず消す
- 企業からの返信用レターパックを使う場合:返信用は「行」のまま、差出人欄の「様」は消す
- ポートフォリオや追加資料の送付:慎重な印象につながる
採用関連はもっとも“丁寧な見た目”が重視されるため、徹底して整えておくのが賢明です。
公的書類・行政手続き(消すのが無難)
市役所・税務署・年金事務所など、役所宛ての郵送もフォーマル扱いになります。
- 申請書・証明書類の送付:消したほうがよい
- 行政からの返信用封筒を使う場合:返信用は「行」のまま
- 公共料金・手続きの郵送:丁寧さが伝わる
役所側は形式には厳格ではありませんが、整っているほうが安心感を与えられます。
個人・友人宛(ケースにより自由)
個人間のやり取りでは、フォーマルな場面に比べて自由度が高くなります。
- 親しい友人へのカジュアルな贈り物:どちらでもOK
- 家族宛:気にしなくてもよい
- 親戚への贈り物・お礼の品:消したほうが丁寧で誤解がない
- 年上の親族や、礼儀に厳しい相手:消すのが無難
個人宛の場合は“関係性や相手の性格”で判断すると自然です。
ギフト・季節の贈り物(内容で判断)
贈り物の意味合いが強い場合、整った見た目が「気持ちのこもった贈り物」として伝わりやすくなります。
- お祝い・内祝い・香典返し:消す
- 季節の品・お裾分け:どちらでもOK
- お礼のカード同封:消したほうが印象が良い
贈り物の“重さ”によって判断すると迷いません。
返信用レターパック(「行」を使い、自分側の「様」は消す)
返信用は相手が書き換える前提のため、敬称は「行」にしておきます。
- 宛名:× 様 → ○ 行
- 差出人欄(自分):印字された「様」は必ず二重線で消す
- 相手が上書きしやすい位置にする
返信用は特に“相手が使いやすいか”が重要です。
トラブル防止の観点から消すべきケース
配達や仕分けの誤読を避けたい場面では、差出人欄を明瞭にしておく必要があります。
- 宛名・差出人の区別が必要な内容物(契約書・重要書類など)
- 複数人で回覧される可能性がある書類
- 会社の共有メール室を経由する配達:読みやすさが必須
誤解を生みそうな状況なら、消すのが正解です。
ひと目でわかる総合早見表(拡張版)
| シーン | 「様」は消す? | 理由 |
|---|---|---|
| 取引先・ビジネス | 必ず消す | マナー・印象・誤解防止 |
| 採用関連 | 必須レベルで消す | もっとも丁寧さが見られる場面 |
| 役所・行政 | 消すのが無難 | フォーマル扱い |
| 親戚・年上への贈り物 | 消すほうが丁寧 | 礼儀として自然 |
| 友人・家族 | どちらでも可 | カジュアルな関係性 |
| 季節の贈り物・お裾分け | どちらでも可 | 温かみ重視 |
| 返信用レターパック | 宛名は行、自分の様は消す | 相手が書き換えるため |
迷ったら「相手の性格」を基準にする
最終的にもっとも大切なのは、形式よりも“相手への思いやり”です。
迷ったら、
- 相手は丁寧さを重視するタイプ?
- それとも気軽さを好むタイプ?
- 初対面?長く付き合いのある人?
この3つを思い出すだけで、ベストな判断ができます。
よくある質問(FAQ)
レターパックの書き方や「様」の扱いで迷いがちなポイントを、より詳しい解説を加えてまとめ直しました。初心者の方はもちろん、ビジネスで頻繁に使う方にも役立つ“実務的な安心材料”としてチェックしてみてください。
Q1:様を消し忘れたら郵便物は届かない?
届きます。配達そのものには影響しません。
レターパックは宛名と住所が正確に読めれば配達されるため、「様」を残したからといって返送されることは基本的にありません。ただし、受け取る側の印象という点では注意が必要です。
- ビジネスシーンでは「基本マナーを知らない?」と思われることがある
- 採用・契約関係では細部の整いが見られやすい
- 親戚・年上の相手でも丁寧に消してあると好印象
配達には問題がなくても、「丁寧さを伝える」という意味では次回からきちんと消すのがおすすめです。
Q2:訂正印は押したほうがいい?
不要です。むしろ押さないほうが自然です。
訂正印は“書類の訂正”に使うもので、郵便の宛名に正式な訂正印は求められません。日本郵便のガイドラインでも訂正印の必要性は示されていません。
- 二重線でシンプルに訂正するのがもっとも自然
- 企業宛でも訂正印はかえって不自然に見える
- 修正液・修正テープより、二重線のほうが郵便事故防止にも有効
訂正印は「ビジネス書類の形式」という印象が強く、レターパックでは過剰になるため使わないほうが適切です。
Q3:手書きの宛名でも問題ありませんか?
まったく問題ありません。郵便局も手書きを前提としています。
ただし以下のポイントを意識すると、配達時の誤読を防いだり、より丁寧な印象につながります。
- 数字はくっきり書く(1と7、0と6が特に重要)
- 建物名は省略せずフルで記入
- ペンは油性の極細〜中字を使う
- ゆっくり・丁寧に書き、枠から大きくはみ出さない
手書きの温かさが伝わるため、個人宛では特に喜ばれやすいメリットもあります。
Q4:法人名と担当者名を書くときの敬称はどうすればいい?
企業名には「御中」、担当者名には「様」を付けるのが基本です。
ただし、両方を書きたい場合はルールがあります。
- 【正】○○株式会社 山田太郎 様
- 【正】○○株式会社 経理部 御中
- 【誤】○○株式会社 御中 山田太郎 様(併記はNG)
主語が「会社宛」なのか「担当者宛」なのかを明確にするのがポイントです。混在させると相手が迷いやすく、書類の扱いで誤解を招くことがあります。
Q5:差出人欄の「様」を消すには必ず二重線? 一本線でもいい?
基本は二重線がマナー的に最も自然ですが、一本線でもNGではありません。
ただし、きれいに整える意味では二重線のほうが「意図して消した」ことが明確に伝わります。
- 一本線 → 素早いけれど少し雑に見える可能性
- 二重線 → 見た目が整い、誤読防止にも適している
相手がビジネス相手・目上・採用担当者などの場合は二重線の使用をおすすめします。
Q6:レターパックライトとプラスで敬称の扱いは変わる?
敬称の扱いはどちらも同じです。
ただし、使われる場面が異なるため“気をつけるポイント”は変わります。
- ライト(青):機械仕分けが多いため、読みやすい宛名が重要
- プラス(赤):対面受取のため、氏名がはっきり見える書き方が求められる
どちらを使っても「差出人の様は消す」が基本のマナーです。
Q7:個人宛であれば様を消さなくてもいい?
親しい間柄なら問題ありませんが、年上・丁寧に贈りたい相手には消すのが安心です。
- 家族・親しい友人 → 気にしなくてOK
- 年上の親族・礼儀を重んじる相手 → 消すのが無難
- 敬意を示したい贈り物・お礼 → 消しておくと印象が整う
“気軽さ”を出すのか、“丁寧さ”を重視するのかで判断しましょう。
Q8:返信用レターパックの宛名を「様」で書いてしまった…直すべき?
はい、直すことをおすすめします。
返信用は相手が書き換える前提なので、「行」で書くのがマナーです。
- 宛名:× 様 → ○ 行
- 差出人欄:自分への「様」は二重線で消す
「様」のままだと、相手が自分を“様付け”する形になってしまうため不自然です。
Q9:宛名を間違えたら書き直すべき? 修正でも大丈夫?
配達に支障が出ない程度の修正ならOKですが、迷ったら書き直すのが安心。
- 1〜2ヶ所の軽微な訂正 → 二重線でOK
- 番地・建物名の大きな誤記 → 書き直し推奨
- 修正が3ヶ所以上 → 新しいレターパックを使う
宛名は郵便物の“顔”。読みやすさ第一で判断しましょう。
Q10:筆ペンや万年筆で書いてもいい?
可能ですが、にじみやすさに注意が必要です。
- 筆ペン → にじみやすく細い字は書きにくい
- 万年筆 → 乾く前に触ると汚れやすい
- 一番安全 → 油性の極細〜中字ペン
レターパックの表面はツルツルしているため、にじみにくいペンを選ぶと失敗しません。
Q11:パソコンやラベル印刷で宛名を書いてもいい?
問題ありません。むしろ読みやすさは向上します。
日本郵便でも印刷宛名を公式に認めており、ビジネスシーンではむしろ主流です。
- ラベルの粘着力が弱いものは×
- 水濡れ・はがれ対策を行うと安心
- 印刷後、「様」や「御中」などの敬称位置が正しいかは必ず確認
印刷と手書きを組み合わせることもでき、仕上がりが整いやすいメリットもあります。
【まとめ】「様」を消すのは気配りと丁寧さの表れ
レターパックに印字されている「様」は、本来“相手を敬うため”のもの。だからこそ、自分自身の差出人欄にそのまま残しておくと、ビジネス・フォーマルシーンでは不自然に見えてしまうことがあります。二重線で静かに整えておくだけで、書類に対する姿勢や丁寧さが自然と伝わり、相手の受け取る印象がぐっと良くなるのがこのポイントです。
また、「様」を消すという行為は単なるマナーではなく、“相手に余計な迷いを与えない”という思いやりの一面も持っています。仕分け担当者や配達員が宛名と差出人を瞬時に判別できることは、郵便物がスムーズに届く上でとても大切。細かな部分を整えることで、トラブル防止にもつながります。
一方で、個人利用や親しい相手への発送では、形式よりも気持ちが大事になる場面もあります。場面・相手・送り物の性質によって柔軟に判断できるのがレターパックの良いところです。迷ったときは、
- その相手が丁寧さを重んじるタイプか
- カジュアルさを好む関係か
- 今回の送り物が“どれくらいフォーマル”か
を基準に考えると、自然と最適な答えにたどり着けます。
結局のところ、「様」を消すという小さなひと手間が、相手への気遣いと安心感につながります。差出人欄を整えることは、送り手の姿勢そのもの。相手が気持ちよく受け取れる形に仕上げられるよう、今回の内容をあなたの“安心できる判断基準”としてぜひ活用してください。

